2016年12月27日火曜日

現代日本人文芸:呉原百合蔵小説:総理の椅子を巡る大いなる静かな戦い:第1回:新連載

 安倍総理の真珠湾訪問はおおむね好評である。

明日の安倍総理のコメントが楽しみである。

ただ、

「安倍総理は謝らなかった」

 この声が大きいのも事実である。

「二宮正治さん、あなたはその昔アメリカの軍属OBに対して日本の真珠湾での非礼を詫たら軍属OBは涙を流して喜んだそうだね。その後の二宮正治さんのアメリカ人に対する信用につながってオバマ大統領を広島に招聘する引き金となった」

 二宮正治とその仲間は顔を見合わせた。

「日本人は謝罪を恥と考えるからなあ」

「明確な謝罪の言葉が入っていたら、安倍総理はアメリカ人のヒーローになっていたろう。まあ今でもアメリカ人には信用はあるけど」

「今から、今から」

 二宮正治はもう一度仲間を見る。

「今回の真珠湾訪問には岸田外務大臣、稲田防衛大臣が同伴している。この人達もアメリカ人に

言葉を発信して欲しいなあ」

 この二宮正治の言葉に、

「世界に売り出せる絶好のチャンスだ」

 仲間が口を添えた。

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