陽子は同級生の真理とその恋人の激しい愛の交歓を見て、
その激しい赤裸々な姿が頭から離れなくなった。
毎日自分の敏感な部分を自分で慰める日々が続いたのである。
しかし何か物足りない。
「私も男性を愛する事にする」
意を決した陽子は自分から男性を釣って、愛の儀式をとり行う事にした。
ある週末繁華街を陽子は歩いた。しかし誰も声をかけてこない。
五時くらいから歩いているが、気がつくともう日が暮れて夜の帳が当たりを覆っている。
「おねえちゃん、素人がこの辺で商売しちゃあダメだ」
陽子はこうそのスジの人に声をかけられた。
「こわい、どうしよう」
恐怖に駆られた陽子は必至でその場所を逃げた。
息を切らせて立ち止まっていると、車から中年男性が声をかけてきた。
「おねえさん、食事でも一緒にするか」
陽子は一瞬迷ったが、次の瞬間首を縦に振った。
物語は始まったのだ。
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