2017年2月13日月曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:陽子の場合:第17回

 陽子は喫茶店に入ってテレビのスポーツ番組を見ていた。

巨人の菅野投手の投球を移している。

「うわあ、素晴らしいピッチング」
 
 陽子は思わずこう口走った。

陽子が好きな広島東洋カープにはこんなピッチングをする投手はいない。

 陽子のこの言葉に、

「ジャイアンツ女子なの」

 と隣に座っている若い男性が声をかけてきた。

「いいえ、私カープ女子なんだけど菅野投手のピッチングには惚れ惚れする」

 陽子のこの言葉に、

「カープ女子も思わず菅野投手を絶賛か」

 若い男性はこう呟いた。

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