2017年2月22日水曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳陽子の愛と性:第24回

「広島市安芸区矢野大井地区も終わりだ」

 陽子はこう言って大粒の涙をこぼした。

明夫が心配して、

「地元選出の市会議員が今政務調査費(今の政務活動費)不正流用で告発されて任意の警察の取り調べをうけ、野党議員から『百条委員会に出てもらう』こう言われているのが響いているのかなあ」

 明夫は大きなためいきをついた。

「Nさん、あの市会議員の件が『広島市民の広島市安芸区大井地区への無言のボイコットになってるの」

 明夫は心配そうにNにこう聞いた。

「関係なくもないが、主な原因は『この地区の人はエセ同和のような事ばかりする』これが主な原因だ。これがなくならない限り、ボイコットはなくならない。みんなで話し合って今後のプランを出して出直すんだ」

 Nは二人を見た。

手を取り合って泣いている。

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