2017年2月23日木曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳陽子の愛と性:第25回

「Nさん、広島市安芸区矢野大井地区を何とかしてよ」
 明夫が涙声でこう言う。
「ああ分かっているよ。この広島市安芸区矢野大井地区を再生創生するには広島都構想か中国州を実現させて『陸の孤島』この状態を解消させるのだ。それでないと矢野大井地区の悲劇は未来永劫に続く」
 Nは明夫を見て言葉を返した。
「私たちは何をすればいいの」
 陽子が口を添える。
「他地区からこの場所に移ってきた人や仕事でこの地区を訪れた人に『気取るなこのボケ』こんな事は言わない事だ」
 このNの言葉に陽子は、
「昔は地元の小学生や中学生が平気でこんな事を言っていたもんねえ」
 他には、
「他地区の同和地区の人に『この大汚れ』こんなひどい事を言ってケンカを売らない事」
 陽子と明夫はこのNの言葉を聞いて、
「うわあ、そんな事を言うの」
 こう言って絶句した。
「それに・・・・・・・・」
「それになに」
「広島市安芸区矢野大井地区の良識ある人々が『私たちはエセ同和とは関係ありません』この態度を見せているのが分かるか」
 陽子と明夫は言葉が出ない。

2017年2月22日水曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳陽子の愛と性:第24回

「広島市安芸区矢野大井地区も終わりだ」

 陽子はこう言って大粒の涙をこぼした。

明夫が心配して、

「地元選出の市会議員が今政務調査費(今の政務活動費)不正流用で告発されて任意の警察の取り調べをうけ、野党議員から『百条委員会に出てもらう』こう言われているのが響いているのかなあ」

 明夫は大きなためいきをついた。

「Nさん、あの市会議員の件が『広島市民の広島市安芸区大井地区への無言のボイコットになってるの」

 明夫は心配そうにNにこう聞いた。

「関係なくもないが、主な原因は『この地区の人はエセ同和のような事ばかりする』これが主な原因だ。これがなくならない限り、ボイコットはなくならない。みんなで話し合って今後のプランを出して出直すんだ」

 Nは二人を見た。

手を取り合って泣いている。

2017年2月21日火曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性::陽子の場合:第23回

「大きな事を言われてその気で育って高校を卒業したら厳しい現実を目の当たりにして心を患い自殺を図るのが広島市安芸区矢野大井地区のパターンか」
 陽子はため息をついた。
「何とかならないのNさん」
 明夫が懇願するようにNにこう聞いた。
「この地区が飛び地である事が子供の頃は有利に働く。他の広島市民の怒りが分からないからだ。だが、高校を卒業したらその憎しみを一身に受ける。同じ矢野でも広島市安芸区矢野地区は他地区と接しているし他地区との婚姻の実績も有る」
 Nのこの言葉に明夫は男泣きに泣いた。
「オレたちはどうすれいいのだ」
 肩を震わせる。
「中国五県が中国州になるか、広島都構想をつくりあげるしかない」
 Nのこの言葉に、
「Nさん動いてよ」
「動いてるよ。明日実現って訳にはいけない」
 二人のやりとりに、
「この地区の若い女の子は生きた心地がしないのよ」
 陽子が涙声でこう言う。
「なるようにしかならない」
 明夫はテーブルを叩いてこう絶叫した。

2017年2月20日月曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:陽子の場合:第22回

陽子と明夫は中学校の時にお世話になったNと話し合っていた。

 このNは荒れ狂う広島市立矢野中学校を広島市でもトップクラスの中学校に変えてくれた

のだ。毛利家臣団の血を引く名門の家系の出身である。

 その大恩人のNが広島市安芸区矢野大井地区で今大いなるセクハラに遭っている。

陽子と明夫が見ただけでも今年になってから女性がNとすれ違いざまにNの体を触ってい

る。

「オレだけじゃないんだ。体格のいいこの地区の生まれでない男性は凄いセクハラに遭っ

ている」

 Nは苦々しげにこう言った。

「セクハラであると同時に逆差別じゃないか。逆差別は差別だ」

 明夫は体を震わせて怒った。

「広島市民の無言のボイコットに遭う理由がよく分かる」

 陽子は涙をこぼして怒っている。

2017年2月19日日曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:第21回:この物語はフィクションです!

かつて広島市安芸区矢野西大井地区では小学校一年生の女児殺害事件が起きた。

 そもそもこの事件の発端は今警察から任意の聴取を受けている市会議員の伯母なるお方

が、あの被疑者に向かって、

「あんな三等外人がいたらこの町がだめになる」

 こう言った事から始まった。

そして町の有力者に会うごとにこの発言を繰り返したのだ。

「当然こんな事を言われたら日本人を快く思っていないペルー人はキレる」

 今この伯母なるお方は議員の対抗馬になりそうな人にガンを飛ばして因縁ばかりつけて

いる。

陽子と明夫は、

「この人達のおかげで広島市安芸区矢野大井の人々が死ぬほどの苦しみを味わっているの

が分からないのか」

 こう呟くのだった。

2017年2月17日金曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:陽子の場合:第20回

 陽子はまだ自分の中学校の女性の先輩が自ら命を断った事のショックから抜け切れてい

ない。

 幼馴染の明夫と酒を酌み交わしながら、

「こうやって広島市安芸区矢野大井地区の人間は世界の人々の冷たい視線を浴びて末代ま

で生きていかなければいけないの」

 こう愚痴をこぼした。

「おれたちの宿命だ」

 明夫の目には涙が。

二人はどちらからともなく激しくお互いの体を求めて抱き合った。

明夫は陽子の首筋にやさしくキスをした。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」

 陽子の口から激しい喘ぎ声が洩れた。

明夫は優しく陽子の背中を撫でた。

「あああ、あああ、ああああああ、あああ」

 陽子は激しく身をよじる。

「気持ちいいかい」

「とっても」

 二人の愛の儀式は続く。

2017年2月16日木曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:陽子の場合:第19回:

 陽子が住んでいる広島市安芸区矢野大井地区は荒れている。

無理もない。二十歳そこそこの女性が暴言を吐きまくるのだ。

「私も同じ女性。あの人達の思いはよく分かる。広島市民の無言のボイコットに逢い誰に

も相手にされなかったら私もああなる」

 陽子の同級生の明夫が、

「オレたちの住んでいる場所の悪評は広島だけではない。今東京で大問題になっている

し、世界各国でも猛烈に嫌われているのだ」

「本当それ」

「悲しいが本当だ。日本人に対しても蔑んだような事を言うが、外国人の場合はもっとひ

どい。アジアや中東からだけでなく、アメリカや南アメリカ、ヨーロッパの人々も怒りま

くっている」

「要するに世界各国じゃない」

 陽子はあまりの悲しさに大粒の涙をこぼした。

明夫も目に涙をためている。

 二人はお互いの涙を拭いてお互いの世界を撫でるのだった。





2017年2月15日水曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:陽子の場合:第18回:この物語はフィクションです。

 陽子は広島市安芸区矢野の大井地区という場所に住んでいるが、
小学校、中学校、高校とかわいがってくれた女性の先輩が自ら命を断った。
「結婚を破談にされた」
 これが大きな理由だ。
「今広島市安芸区矢野大井地区は広島市民の無言のボイコットに遭っているもんなあ。しょうがいないよなあ。怒らすような事ばかりするんだもんなあ」
 陽子はため息を付いた。
陽子が自分の父より信頼しているNによると、
「去年だけで近所の神社で自殺しかかっている若い女性を五人以上助けた」
 こう言うのだ。
「広島市民はこの地区に対して憎悪の念を抱いている。ハンパじゃない」
 Nはため息をつく。
「何でこんなになるの」
「ここが飛び地だからだ」
「今この地区の人達の支援を受けている市会議員が政務調査費(現政務活動費)の問題で広島県警から任意で事情を受けているよね」
「ああ、だから余計に苛立っているんだろう」
「私達未来永劫に広島市民に嫌われるの」
「今のままならなあ」
「どうすればいいの」
「中国州をつくって広島市と広島県の境を無くすことだ」
「Nさん実現させて」
「今動いているよ」
 陽子は優しかった女性の先輩が自殺したショックで心が動揺している。

2017年2月13日月曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:陽子の場合:第17回

 陽子は喫茶店に入ってテレビのスポーツ番組を見ていた。

巨人の菅野投手の投球を移している。

「うわあ、素晴らしいピッチング」
 
 陽子は思わずこう口走った。

陽子が好きな広島東洋カープにはこんなピッチングをする投手はいない。

 陽子のこの言葉に、

「ジャイアンツ女子なの」

 と隣に座っている若い男性が声をかけてきた。

「いいえ、私カープ女子なんだけど菅野投手のピッチングには惚れ惚れする」

 陽子のこの言葉に、

「カープ女子も思わず菅野投手を絶賛か」

 若い男性はこう呟いた。

2017年2月9日木曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:陽子の場合:第16回

「二度とこの場所に帰ってくるな」
 
 仲の良かった友達が陽子に罵声を浴びせた。

それも一人二人ではない。

みんな陽子が女性を口説きまくって陽子にストーカー行為を働いた健を警察に突き出した

事を恨んでいるのだ。

「私の身にもなってみてよ。朝な夕なに付きまとわれたら生きた心地がしないよ」

 陽子は心のなかでこう叫んでいた。

「だが誰一人陽子の味方をしてくれる女性はいない。それどころか陽子を見るとみんな罵

声を浴びせるの。女性って怖い」

 陽子は女性の怖さを思い知らされた。

「それにしても、短期間に百人以上の女をくどく男がこの世に存在するんだな」

 陽子は誰にも挨拶をせず新しい住居へと引っ越して行った。

2017年2月8日水曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:陽子の場合:第15回

 健の陽子に対するストーカー行為は収まらなかった。

警察から何度も警告してもらっても健のつきまといは続く。

ある日、警察はとうとう健を逮捕して書類送検をした。

「ああこれでいやな思いをしなくて済む」

 陽子はため息をついた。

だが、この健のストーカー行為に対しての陽子の代償は計り知れないものがあった。

「周りの女性達が陽子に口を聞かなくなったのだ」

 なにしろ健は陽子の周りの女性を100人以上ものにしているのだ。

健と深い仲になった女性の中には本気で健を愛している女の子も多い。

こんな女の子は陽子を見たら親の仇を見るように睨むのだ。

「引っ越しをしよう。ここにいたらロクな事にならない」

 陽子はこう呟いて大きくためいきをついた。

2017年2月5日日曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:陽子の場合:第14回

 陽子は各方面から情報を集め健が何人の女性に手を付けたか調べた。

軽く100人は越えている。

「なんて男だ。もう二度と会いたくない」

 陽子は健に愛想を尽かしていた。

だが健は陽子にのぼせまくってる。

「ぼくが愛しているのは君だけだ」

「そんな話は信じられない」

 毎日押し問答が続く。

今や健はストーカーと化していた。

朝な夕なに陽子のアパートを訪ねてくる。

近所の人も心配して、

「警察に相談したほうがいいんじゃないの」

 こう言う。

意を決して陽子は、

「もうあなたを愛するつもりはありません」

 ズバリこう言うと、

「冷たい事を言うな」

 こう言って泣くのだった。

2017年2月3日金曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:第13回:陽子の場合

「もう健と会うのはやめよう」

 陽子はこう心に誓った。

「健は真理と恵と関係を持ってた。そして私とも。という事はまだ他の女の子に手をつけている可能性がある。危ない」

 陽子は高校生の頃情報屋と呼ばれていた女の子Aに会い健の事を探った。

「健がもてていたのは分かってたけど、相当の数の女の子と関係を持っていたのね」

 Aは何も答えない。

「教えてAさん」

 この陽子の問いかけにAは黙って両手をひろげた。

「それどういう意味。十人って事」

「それ以上」

 陽子の問いかけにAがポツリと答えた。

「うわあ・・・・・・」

 しばらく二人は無言だった。

「名前教えて」

「それは出来ない」

 陽子は心の底でとんでもない事をしてしまったと後悔するのだった。

ファミレスでため息ばかりついているとメールが入ってきた。

健からである。

2017年2月2日木曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:陽子の場合:第12回

 陽子は同級生真理の恋人健人の激しい愛の交歓を楽しむ日々が続いた。

もう感じたふりをして、

「うっふん」

 こんな事を言わなくてもよくなっていたのだ。

それどころか、体の底から湧き上がってくる快感に身をよじるようになっていたのである。

 だが、時々、

「友達の恋人と愛し合うなんて事が許されるのか」

 この思いにさいなまれる事も多かった。

そんな時、

「同級生の真理が同じく同級生の恵みに神社の階段から突き落とされる」

 こんなショッキングな事件が起きた。

「健をめぐってのトラブル」

 これである。

恵みは神社で出会った真理に、

「私の恋人によくも手を出したな」

 鬼のような形相でこう迫ったらしい。

「健は真理の恋人ではなかったのだ」

 陽子はあまりの恐ろしさに体が震えだした。

「健と会っていれば私の身も危ない」

 真理はもう健と会わないと心に誓った。

2017年2月1日水曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:陽子の場合第11回:

 陽子は友達の真理の恋人と愛し合う事が日課となっていた。

理性が陽子の心と体を支配している時は、

「もう健と会うのはやめよう。いつか真理にばれて地獄絵図になる」

 こう思うのだ。

だが、日没後一時間もすると陽子は、

「健と愛し合いたい」

 この思いで心と体がいっぱいになるのだった。

「健と愛し合いたい」

 このメールを健に送らずにはおれないのだ。

二つの心が陽子の心と身体を支配するようになっている。

 夜も深まると陽子とその友達真理の恋人健との愛の儀式が始まるのだ。

「ああ健」

「陽子」

「健、私を思い切り愛して」

「分かってる」

 健は優しく陽子の全裸の前進を愛撫する。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、」

 激しい喘ぎ声が陽子の口からもれた。

2017年1月31日火曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:陽子の場合:第10回

 陽子は友達真理の恋人健と愛し合う事がどれほど危険である事かよく分かっていたが、

自分の理性が欲望に勝てなかった。

物語は始まったのだ。

健の陽子への愛撫は優しいが激しいものだった。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、」

 陽子は身を捩って歓喜の声をあげた。

頭から真理の事は消え失せていた。

「もっと、もっと、もっと、もっと」

 陽子は大胆な女になっている。

健は陽子の秘部を自分の舌で愛撫し始めた。

「そこ、そこ、そこ、そこ、そこ」

 陽子は激しく喘ぐ。

「気持ちいい、陽子」

「とっても。もっと、もっと、もっと」

 陽子はさらなる愛をせがむ。

健の愛撫は激しさを増した。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、」

 陽子はまた身を捩って喘ぐ。

2017年1月30日月曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:第9回

 陽子は自分の愛と性に苦しむ毎日が続いた。

「素晴らしい愛と性を求めてさまよい歩くが私には喜びのある愛がない」

 この思いでいっぱいだったのだ。

そんな時、真理の恋人健とばったり会った。

「ああ陽子ちゃん、久しぶりだね」

「そうね」

 陽子と健は話が弾んだ。

健はいきなり、

「おれずっと昔から陽子ちゃんが好きだったんだ」

 こう言って迫ってきた。

「そんな事言われても」
 
 押し問答が続いが陽子は健の激しい情熱に負けた。

気がついたら、愛の儀式が始まっていたのだ。

「ああ陽子」

「健・・・・」

 健は陽子の首筋に優しくキスをする。

「ああ、ああ、あああああ、ああ」

 陽子は激しく身悶えした。

2017年1月29日日曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:第8回

 陽子は自分の初体験が満足できるものでははなかった事に苛立ちを覚えていた。

「必ず愛の喜びを得る」

 こう誓ったのである。

ある週末の夕暮れ時、公園を通って家路を急いでいると、

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」

 と女性の激しい喘ぎ声が聞こえてきた。

声がする方向を見ると同級生の真理が男性にまたがって激しく腰を揺さぶっていた。

 時折激しく男性の口を舌を絡ませて吸っている。

「真理は普段は大人しいのにどこにこんな激しい情念が潜んでいたんだろう」

 陽子は人は見かけによらないと改めて思うのだった。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、」

 真理の喘ぎ超えが一段と激しくなった。

男性も真理に合わせるかのように、

「あああ、あああ、あああ、あああ、あああ」

 激しく喘ぐ。

二人の腰が激しくうごめいていた。

陽子の秘部は激しく濡れていた。

2017年1月28日土曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:第7回

 陽子は誘われるままに中年男性とホテルに入った。

「なるようになれ」

 こう思ったのだ。

この中年男性は四十歳の割にはいい体格をしていた。

この中年男性は全身全霊で陽子の体を愛撫してくれた。

陽子も必死で感じたふりをした。

「気持ちいい」

「うん、とっても」

 男性はひどく嬉しそうだった。

陽子の醒めている心を知る由もない。

陽子は必死で感じたふりをした。

男性は必死で陽子を愛してくれた。だが、陽子に感動はなかった。

あるのは虚しさだけである。

「女の子はみんなこんな思いをするんだろうか。むなしい」

 陽子はネット検索で女の子の初体験を調べた。

「初体験は素晴らしかった。感動の涙が出た」

 この文章が目に止まった。

「うらやましい、よし、初体験をやりなおそう」

 陽子は初体験をやり直す決意をしたのである。

2017年1月26日木曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十代の女性の愛と性:第6回

 陽子は同級生の真理とその恋人の激しい愛の交歓を見て、

その激しい赤裸々な姿が頭から離れなくなった。

毎日自分の敏感な部分を自分で慰める日々が続いたのである。

しかし何か物足りない。

「私も男性を愛する事にする」

 意を決した陽子は自分から男性を釣って、愛の儀式をとり行う事にした。

ある週末繁華街を陽子は歩いた。しかし誰も声をかけてこない。

五時くらいから歩いているが、気がつくともう日が暮れて夜の帳が当たりを覆っている。

「おねえちゃん、素人がこの辺で商売しちゃあダメだ」

 陽子はこうそのスジの人に声をかけられた。

「こわい、どうしよう」

 恐怖に駆られた陽子は必至でその場所を逃げた。

息を切らせて立ち止まっていると、車から中年男性が声をかけてきた。

「おねえさん、食事でも一緒にするか」

 陽子は一瞬迷ったが、次の瞬間首を縦に振った。

物語は始まったのだ。

2017年1月25日水曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:第5回

陽子の目の前で起きている愛の儀式は終わらない。

それどころか激しさを増すばかりである。

高校の時は大人しい印象だった陽子の同級生真理は恋人と激しく愛し合っている。

下半身をむき出しにした真理は恋人に乗っかかって激しく腰を振り始めた。

「あああああ、あああああ、真理、いい、いい、いい、」

 男性が喘ぐ。

「もっと気持ちよくしてあげる」

 真理は大胆である。

いっそう激しく腰を振り始めた。

「いい、いい、いい、いい、」

 男性が激しく反応する。

この声に刺激されたのか、真理も、

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ

 激しく声をあげはじめた。

陽子は人前もはばからず自分の秘部を指で刺激するのだった。

「ああ、ああ、ああ、ああ、ああ、ああ」

 陽子も激しく喘ぐ。

2017年1月24日火曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:第4回

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、健」

「うん、あああ、あああ、あああ、真理」
 
 陽子の同級生の真理と健は陽子に見られているとは知らず、

激しく愛し合っている。

寒い一月の終わりに二人のお尻はむき出しになっていて、その腰はひとつになろうとして

うごめいているように見える。

燃え上がっている真理は健の耳を噛んだ。

「ああ痛い」

 健はこの声をあげたが、その声が甘酸っぱく気持ちの良さそうな声である。

次に真理は健の敏感な部分をつかんで優しく上下に動かした。

「ああ、ああ、ああ、ああ、ああ、ああ、ああ、ああ、」

 健は激しく身悶える。

陽子は自分でも気がつかない間に自分の敏感な部分をまさぐっていた。

「ああ、だれか私を愛して」

 陽子はこう呟いた。

目の前の同級生の愛の交歓はまだまだ続く。 

2017年1月23日月曜日

現代日本文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:第三回

「私も素敵な彼氏を見つけて愛し合いたい」
 
 陽子はこう思いながら公園を横切って帰宅していると、木々に覆われたベンチから女性の喘ぐ声が聞こえてきた。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」

 激しく喘いでいる。

「あ、高校の時同級生だった真理だ」

 陽子は目の前の男女の行為に釘付けとなった。

真理は大胆にも恋人の敏感な部分を口で愛撫していた。

男性は真理の愛撫に激しく反応している。

「あああああああ、あああああああ」

 物凄い愛の交歓である。

今度は男性が真理の敏感な部分を愛撫し始めた。

「ああああダメ、、ダメ、あああああああ」

 真理は身をよじっている。

陽子の秘部ははげしくうるおい始めた。

「ああ、どうしよう。私、足が動かない」

 真理と恋人との激しい愛の交歓は続く。

2017年1月21日土曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:第2回

 陽子は中学校の時から成績はトップクラスだった。学校推薦で広島でも名門の大学へと進学した

のだ。

「私に無いのは恋人だけだ」

 こう思うと虚しかった。

広島では女子大生はみんなカープ女子をやっていて、気のあった仲間たちとマツダスタジアムに出

かけてカープを応援している。球場で男性と仲良くなり恋仲になった女の子はなぜか幸せそうであ

る。

「私の前に素晴らしい恋人は現れないのかな。恋人が欲しい」

 陽子は毎日のようにこう思うようになっていた。

一月の冬の寒い夜陽子はあてもなくうら寂しい夜道を歩くのだった。

「誰か声をかけてくれるかも」

 この思惑があったのだ。

だが、冬の寒い夜に歩いている男性など皆無である。

「だれか来い」

 陽子は二時間待った。

遠くからほろ酔い加減の男性がやっている。

「ものにしよう」

 陽子はこぶしを握りしめた。 

2017年1月20日金曜日

現代日本人文芸:二宮正治小説:二十歳の女性の愛と性:第1回:新連載

 陽子は広島で暮らす普通の二十歳の女子大生だ。

今年の1月9日に成人式を迎えた。

「私は大人の儀式を迎えた」

 自分の人生を振り返って感慨深かった。

「すべては自分の思い通りの人生を送れた。ただ・・・・・・・」

 陽子は自分の人生に満足していた。

だが陽子には満たされぬ思いがある。

「恋愛経験がないのだ」

 今まで生きてきた自分の人生で彼氏がいた事がないのである。

「今から素敵な恋愛ができる」

 こう言って自分の心を慰めた。

が、しかし、同級生が楽しそうに彼氏と歩いていると、

「激しい嫉妬心」

 これが湧き上がってくる。

「何で私はもてないんだろう」

 陽子の心は荒れはじめていた。

                                 続く 乞うご期待!